クラミジアかな?けど病院は恥ずかしい、と思ったら、まずは自宅で検査キットを使ってみましょう。

病院におけるクラミジア感染の検査とは?

クラミジアを含む性病検査は、泌尿器科を有する病院やクリニックであれば、どこでも受けることが可能です。

 

 

大きく分けて、抗体検査と抗原検査があり、男女によっても若干異なりますので、参考にして下さい。

 

 

 

●抗体検査

 

抗体とは、クラミジアに対する抗体、つまりクラミジアを攻撃するための能力のことを言います。人間の体というものは非常に優れていて、細菌やウィルスが体内に侵入すると、それを攻撃するための能力を持つようになります(抗体を持ちます)。ただし、HIVウィルスなどのように、人間が抗体を作り出すことができないウィルスなども存在しますので、この免疫システムは万物に対して有効と言うことは残念ながらできません。

 

 

しかし、クラミジアに関しては、抗体を作り出すことができますので、この抗体測定をすることが可能です。抗体測定には血液検査が用いられます。しかし、この抗体検査では、抗体の有無こそわかりますが、それが現在進行形の感染なのか、過去の感染によって残留している抗体なのかを判断することができません。したがってクラミジア感染の検査において、現在感染しているのかどうかを知るためには、血液検査ではなく抗原検査が主に行われています。

 

 

 

●抗原検査

 

抗原検査は非常にシンプルです。抗原、つまりクラミジアがそこに存在しているかどうかを調べるだけです。実際の方法としては、感染しているであろう部分から検体を採取し、クラミジアの有無を確認するだけです。ただし、クラミジアなどの細菌は非常に小さいため確認できないこともあるので、実際には培養(増殖)させて感染の有無を確認します。

 

 

男女で若干違いがありますので、男女を分けてご紹介させていただきます。

 

 

 

 ■男性の場合 

 

男性の場合は、クラミジアは尿道に感染し、感染が進行すると尿道の延長線上にある副睾丸炎なども引き起こします。したがって、尿検査を行うことで簡単にクラミジアの検体を採取することができます。しかし、大きな注意点があります。尿検査というと一般的には、初めにでてくる尿は採取せずに捨てて、中間あたりの尿を採取します。これは初めの尿には不純物などが含まれているために、腎臓など尿道の奥深くに位置する臓器の状態を正確に把握できない可能性があるためです。

 

 

しかし、クラミジア検査の場合は、まったく逆になります。クラミジアを検出することを目的に尿検査を実施するため、初めの尿をとる必要があります。もし、中間尿を採取した場合、初めの尿によってそのとき尿道に存在するクラミジアを流し出してしまい、結果的にクラミジアが検出されないということも起こるようです。

 

 

今は尿検査で実施することがほとんどですが、一昔前や、昔からあるクリニックなどでは、尿道に綿棒を入れてクラミジアを採取することもあったようです。

 

 

 

■女性の場合

 

クラミジアが感染するのは、尿道ではなく、膣や子宮の周辺器官です。実際には小陰唇の辺りにもクラミジアが付着していることがあり、尿検査によって検出することも可能です。

 

 

しかし、検出できるか否かはその時の状態によるため、必ずクラミジアを検出できるとはいえません。したがって、女性の場合は尿検査ではなく、膣分泌液の採取を行います。検査は非常にシンプルで、細くて長い麺棒を膣内に挿入し、粘液を採取するだけです。

 

 

検体採取後は、男性の採尿の場合は、1時間程度で結果を確定することもできますが、精度が落ちてしまいますので、多くの場合、PCR法を用いて遺伝子を増殖させることで、クラミジアの確定診断を行います。

 

 

PCR法とは、Polymer Chain Reactionと呼ばれるDNA(核酸)を増殖させる方法のことで、このPCR法のメリットは、増殖させるクラミジアの数が少なくても問題ないということです。例えば1個のクラミジアしかいないとしても、指数関数的にDNAを増殖させますとので、2・4・8・32・64・・・と比較的短時間で確定診断を行うことができる量まで増殖することができるようです。したがって、検査後翌日から翌々日には検査結果が判明しているようです。

 

 

ただし、このPCR法を病院やクリニック内で行っている施設もありますが、外注している施設もあります。外注している場合でも、検体採取後、遅くても3〜4日後には検査結果がでているようです。

 

 

DNAを増殖させる方法は、PCR法以外にも、SDA法(Strand Displacement Amplification)法や、TMA法(Transcription Mediated Amplification)があるようで、検出率に違いがあるようです。しかし、一番初めに開発されたPCR法でも、クラミジアの確定診断のためには、十分であり、他の検査方法に劣るわけではありません。

自宅でもできるクラミジア検査とは?

実はクラミジアを含む性感染症(STD)は、自宅でも簡単に検査を行うことができ、STDチェッカーなどと呼ばれています。

 

 

大きく分類しますと、ご自身で検査結果を判定するものと、検査機関に検体を送付して検査機関で検査を行っていただき、結果を得るというものがあります。

 

 

●ご自身で検査結果を判定する検査キットの特徴

 

男性であれば尿道の中に、女性であれば膣の中に細い綿棒のようなものを挿入し、そこにクラミジアを付着させます。その綿棒を専用の溶液の中に漬け込み、特殊な液体を加えます。その溶液を試験紙にたらすと、検査は終了です。その後15分程度検査結果が表示されます。女性の方ならご存知の方も多いかと思いますが、妊娠検査薬と同じような形で検査結果が表示されます。

 

 

この検査の弱点は、検出力がそれほど高くないということです。あくまでもその綿棒に付着したクラミジアに対してだけ検査を行うためです。
しかし、価格が安く、1個3,000円程度で購入することができます。

 

 

 

●検査機関で検査を行う検査キットの特徴

 

検体採取方法は、上記と同様に非常に簡単です。男性であれば最初の尿を取るだけです。

 

 

女性の場合でも、綿棒を膣に挿入し、分泌液を採取するだけです。そして、それらを検査機関に送付するだけで、後は結果を待つのみです。結果に関しては、匿名性が保たれるようになっており、Webなどを通じて検査結果を確認ができ、氏名が表示されないことがほとんどです。

 

 

検査機関においては、DNA増殖法を用いて検査が実施されるため、検査の精度は非常に高いです。

 

 

しかし、その反面、検査キットの購入には5,000円程度必要になり、ご自身で判定するものよりは高いです。しかし、この費用の中には送料や検査機関での検査料金も含まれています。検査の精度も考えると、それほど高いものではないと考えることもできると思います。